生きることは、旅をすること。

人は、かならずどこかから出発し、どこかに還って行く。

生きることは、まるで旅をするようなものだ。

 

「英雄の旅(Hero`s Journey)」を、ご存じだろうか?

ジョセフ・キャンベルという神話学者が

古今東西の神話を研究・分析し、

発見した、ある法則だ。
(「千の顔を持つ英雄」というタイトルでハヤカワ書店から出版もされている)

ある場所で暮らしていた人物が、

何らかの出来事と助力者(ナビゲーター)によって

境界を越え、新たな世界で試練を受けた後、

インスピレーションを得て元の場所に戻って

英雄(ひとかどの人物)となる、というものだ。

これに目を付けたある映画監督が、

この法則をもとに製作した映画が

歴史的な作品となったのは有名な話。

監督の名前は、ジョージ・ルーカス。

映画はスターウォーズ。

キャンベルとルーカスの対談も、後に書籍となった。

以来、おそらく多くの(というか、あらゆる)冒険映画は、

この法則に基づいて創作されてきた、

と言っても過言ではない。

なぜ、この法則に多くの人が魅了されるのか?

それは、人生そのものと酷似しているからだ。

学校に入学して卒業すること、

会社に入社して退社すること

この世に生まれ、生き、去ること・・・

人は、人生の折々でこのサイクルを繰り返しながら、

人生全体も、この法則に沿って生きているように思う。

そして、この「円環的な世界観」は、

終わりなき流転と回帰を理念とする道(タオ)の思想、

「無常」をコンセプトする仏教の思想が

DNAに潜んでいる東洋人にこそ

馴染むものだと感じるのは、私だけだろうか・・・。

誰にも、それぞれの「旅のかたち」がある。

少しでも多くの人が、その人ならではの人生の旅をする

「案内人」のような存在になり、

それを私自身の「旅のかたち」にしたい、と思う。